インターネットを草創期より活用しているミュージシャン、福間創氏がナビゲートするコラムです。
2008年07月05日
前回書いたように、ペルソナを作成するプロセスは、顧客データをきめ細かくカテゴライズしてデータベースを作り、バランスドツリーなリレーションから索引していくというフローになわけです。
この方式の問題は、これだといくらイレギュラーな仮想人格を想定しても、結局多数決でソートしていかざるを得ず、結果として無難な人格にしかならないということで、ややヒステリックに考えると、そこから仕上がる商品やサービスはやはり均一化していくんじゃないかと思うんです。
じゃぁ、そのソートから漏れた人達、そこから落ちこぼれた人達はどうすればよいのかということになりますよね。そういう人達って今後、益々生きづらい世の中になっちゃうんだろうなぁと想像できるわけです。
例えニッチな分野でも、そのカテゴリー内では同じ事が行われるわけだから。中々勘違いからくるようなヘンテコなモノって生まれてこない。
今は経済的な理由でヘンテコなモノを作るだけの余裕が無くなってるというのも事実だと思うんですが、反面、これだけ企業が日々様々な個人データを集め、ペルソナ作りに励むということは、多数派には事実、効果があるという証明でもあるわけだから、つまり今の世界は、まさに大衆が望んでいる世界ということです。
これは何も企業が提供するサービスだけに限らず、テレビ番組など表現の世界でも同じ傾向ですよね。最近テレビがつまらないって声は周りに多い気がしても、あまり変わり映えしないのは、結局喜んでいる人がまだ多数だからでしょう。
だから、多数派に向けた内容を優先するしかないですよね。作る方も。
これって、子供が甘いものが好きだから、甘いお菓子ばかり買い与えているようなモノかもしれませんよ。そりゃ子供はその時は喜んでいるんですけれど。
さて、それに関連して、前日考えさせられる事がありました。
ある会合で、長年お世話になっているMさんという方に久々にお会いしたんですが、そこで驚いたのが、その方の使っている携帯電話の機種でした。半年に一度のペースで新機種が発売され、皆が好んで機種変更をする現在にあって、そのMさんは、今もJ
PHONE
SH52を愛用していたわけです。もう6.7年前の機種だと思うのですが、
実は僕もこの機種をかつて超愛用していて、インターフェースの扱いやすさは元より、内蔵音源、MP3エンコーダー、デコーダ、カメラ等々、素晴らしい内容で、まさに名機と呼べるもので、当時はボイスレコーダーで鼻歌メロディーでスケッチして何曲も作ったりで、大変重宝していたのです。
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/0209/05/n_sh52.html
その時考えたことは、メーカーにとっての理想の顧客というものは一体誰なんだということで、例えばこのMさんのような顧客はメーカーからすると最も想定外のユーザー像であり、最も厄介な顧客ですよね(笑)何せ、いくらメディアが新機種を煽った所で、全然機種変してくれないわけです。
でも、SH52をデザインしたエンジニアさん技術者さん達にとっては、最も愛すべき顧客なハズですよね。長年骨の髄までしゃぶり尽くして使ってくれているわけですから。
つまりは即収益には繋がらないけれど、ある意味、思いっきりインサイトしてくれているこのMさんのような顧客こそ大事にするべきで、本当はこのMさんのような顧客を想定しなければならないのではないかと。それこそがブランディングなんだろうと。
だから、あまりにペルソナ的な考え方でモノを作って行く限りは、 Mさんのような顧客は生まれ得ない。そんな気がしている今日この頃です
ではまたっ
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