インターネットを草創期より活用しているミュージシャン、福間創氏がナビゲートするコラムです。
2009年04月26日
さて、約一年にわたって続いたこのコラムも今回が一応の最終回となります。
これといった結論めいたものがあるわけでもなく、コラムを始めた当初から、
その時々でネットについて感じているあれこれをただ書いていただけだけど、
今ざっと読み返してみるとどうもネガティブな面ばかり書いてる気がする。
それは結局、ネットの特徴である情報開示や情報伝達の即時性というものは、
よく言われているように、かつての物語や神秘性といった領域をも徹底的にフラットに、
DB化されていく性質がるから、そのような状態に耐えられない人たちは、
とりあえずライトな物語インデックスだけを信じ込むことで一応の折り合いをつけるわけだけど、
それは下手をすると陰謀論者的な思考に陥ったり、
自閉症的な状況に自らを追い込んでしまう危険性が常に付きまとう。
加えて、大多数の人達が受動的であるのなら、フラットに蓄積された膨大なDBから
正しいと思われる情報をチョイスし、自らの立ち位置を決定するフローを経ていくという
道のりは相当険しく辛い。それ故にその性質を利用した巧妙な罠を仕掛けるだろうし、
知らぬ間に自分も動員ゲームに参加させられていたりもするから、
否が応でも陰謀論者的思考にならざるを得ない部分もあるからたちが悪い。
そうなってくると、この世界で純粋にポジティブに振る舞ことは非常に難しく、
純粋な意味で希望を抱くなんてことは不可能に近い。
だからと言って流れは誰にも止められそうにないから、
これはもうやけくその事実として認めるしかない。
しかし、それでも10〜20年前を振り返ってみるとなんだかんだ言っても、
やっぱり今の方が良いと言わざるを得ない。
たとえ知るべき情報以上に知らなければよかった情報の波に飲まれようとも、
一方的なバイアスのかかった情報を押しつけられていた頃に比べ、
建前的にも一応の自己責任において情報を選ぶ事ができるのだから。
さて、今から10年後のオンライン界はどうなっているのだろう。
そんなことは全く予想できないけれども、
せめてその時に10年前に比べれば全然良いと言えていることを祈りつつ、終了でございます。
ご意見・ご感想は、お問い合わせフォームより受け付けております。